リフォーム?リノベーション?リホーム?
このところ”いわゆる”リフォームの問合せ、依頼が増えている。
何故”いわゆる”かと言うと・・・
このリフォームという言葉、すでに市民権を得て、何を指すか誰でも想像が付く言葉である。
でも何故か昔からしっくりこない。
ということで辞書で調べた。
「手を加え改良すること。作り直すこと。衣服の仕立て直し、建物の改装など。」とある。
最後に記載のある通りで、和製英語のような決しておかしい言葉ではない。
ただ、直接的な意味合いが”形を変える”という意味にとれるのでしっくりこないのだ。と思う・・・
また、英語の reform は「改心する、改正する」もしくは広く「作り直す」の意であり、
日本語の「住宅リフォーム」に相当する語は Renovation である。
形を変える・・・なぜいけないのだろうか?
ひも解いてみる。
当事務所のクライアントでリフォームする理由の一番は、
「手狭になった」と「バリアフリー」が圧倒的に多い。
その他には「耐震改修」や「設備の老朽化」等がある。
先の二つの理由のきっかけとして、
子供が大きくなった。
家族が増えた。
両親のため。
介護のため。
決して特殊な理由ではない。
ただ、この言葉から読み取らなくてはならない事は
家の形を変える前に自分たちの”生活スタイル”が変ったということ。
そのことを知ることが大切なのだと思う。
となれば、実はそう容易なことではないのである。
家族が増えた→部屋を増築する、広げる。
介護のため→段差解消、手摺。
こんな一辺倒な事で本来は解決出来ないのだ。
スタイルとは千差万別、十人十色。
ファッションを例に例えれば分かりやすいはず。
皆好みが違うし、年を重ねても変わってくる。
一辺倒な正解は存在しない。
自分たちのスタイルが変わりそれに家を合わせていく。
となればリフォーム(とりあえずこの表現)も新築同様に手間がかかる(クライアントも我々も)仕事。
それと同時に新築時よりスタイルが確立されている訳だからより昇華させるチャンスでもある。
新築同様の手間暇で新築以上のスタイルを手に入れる事が出来る行為・・・
新築とは違う魅力のある行為・・・
ということは「リ・スタイル」がしっくりくるか?
でも、ま~、新しい言葉創りに興が乗っている訳でもないし、
今更リノベーションでもナイシ・・・
今日も打合せでは”リフォーム”と連呼しているのであった。
ただ、「リホーム(REHOME)」とか「新築〇っくりさん」とか建築業界悪しき慣習の造語。
おふざけかっ!!と思ってしまう。