“鴻巣の曲り家”現場監理/13.04.18
きょうは定例の現場監理。
さすがに追い込みとあって大工、ペンキ屋、キッチン業者、タイル屋、
外壁工事業者、これだけが戸建現場に入るとさすがに騒然とする。
現場の進捗はというと、例のバンブーフロアは大方張り終えていた。
一部養生が未施工の箇所から顔を覗かせるが、なかなかいい表情をしている。
外部では外壁の下地工事が真っ最中。
仕上は塗装だが、今回はデザインと機能を融合させた試みをしている。
外壁に1mピッチで板金水切りを設置しているのだが、これは土佐地方の”水切り瓦”
を模したものである。
“水切り瓦”とは蔵や住居の壁面を風雨から守るため、庇のようなものを外壁部に
数段に分けて設置するものである。
ここでは瓦ではなくガルバリウム鋼板で水切りを製作してみた。
鋼板だと野暮ったくなく、さりげない印象がGOOD!!
また、外壁面が間延びせず建物全体が引き締まったように思える。
これは成功かもしれない(ムフフ)
もともと、風雨の激しい土佐地方の先人の知恵だが、この瓦は装飾性も兼ね備えており、
その家の経済力を周囲に知らしめるものでもあった。
“うだつ”と同じ発想である。
今では、そういった主張はもはや必要が無い、というか良くも悪くも周囲が関心を示さない現代。
であればデザインの力でさりげない主張は嫌味にはならず、ちょっと”粋”じゃないですか?
写真は玄関框。
框(かまち)とは玄関からホールへ上がる角に付く材料。
杉の一枚板が存在感抜群。
そして写真は建具のレール。
Vレールといってこの上を扉の滑車が走る。
通常はアルミ製のシルバー色を見かけるがやはり味気無いので、
硬木製のものをチョイスした。
和室の敷居溝に用いる埋樫(うめがし)と似ている。