にのちょうのいえ/一年検査
明日は”にのちょうのいえ”の一年検査のため会津若松へ向かう。
住宅は工業製品とは違うため住んでいる最中に何かと不具合が出るものである。
例えば、ドアの建てつけが悪くなったとか、壁紙が部分的に剥がれてしまったなど様々。
施工が悪いのではなく、家がその家族の生活に馴染むのに時間が掛かるためだ。
したがって、何かしら不具合が出るのはよくあることだ。
一年馴染めばそれ以降の不具合は少なくなるので、この補修までが工務店責任となる。
念のため補足・・・構造体や雨漏りのような重大な瑕疵保証は10年間である。
一年検査は設計者と施工業者の建て主に対しての責務であるが、
同時に建て主がどのように住んでいるのか知る事ができるので個人的に楽しみでもある。
(ストーカーのような動機ではない事をご理解頂きたい・・・)
設計当初、意見をぶつけ合い話し合った通りに使っている箇所もあれば、
まったく想像しなかった使い方をしている箇所もある。
設計通りならこっそりガッツポーズをし、
そうでなくても感心させられることが多く、それはそれで楽しいものである。
不便を強いてたら設計が失敗したことになるが、そういった事はまず無い。
そうではなく、こちらの想像をはるかに凌ぐ楽しい使い方をしているということ。
家は引渡しが完成ではなく、家族の色に染めていかなければならない。
まだまだ施行途中といっても過言ではない。
一年検査のタイミングはその片鱗を見てとれるので、
この時初めて自分の設計した家が家族に馴染み始めていると感じ取る事が出来る。
引渡のときに感じた喜びをまた一年後に感じられる。
幸せな仕事をさせてもらっている。