こんなことも私の大切な仕事
先日、工事進行中のカフェのオーナーから電話が入った。
現場を見て、「トイレの寸法が間違っている!トイレが壁に当たっちゃう!」と不安そうな声。
間仕切り壁を建てたときに寸法は確認しているので、そんなハズは無いと自信はある。
しかし、このような場合は大抵他の要素に問題がある。
大抵の建て主は当然ながら、いわゆる”素人”であるわけで、想いを正確に伝える事は難しい。
トイレの寸法だけでいえば電話口で「私測っていますから問題ないですよ」と言えば済んでしまう。
だが、問題は別にあると睨み「今から現場に行きます」と伝える。
「お願いします・・・」とオーナー。
これだけでオーナーの口調から不安が少し和らいでいるのがわかる。
現場へ到着して早速トイレへ。
壁の寸法を測るがやはり間違っていない。
よくよく見るとトイレの排水管の位置が部屋の中心から4cm程ずれていた。
排水管が壁に近かったため、逆に壁が寄っていると思ったのだろう。
これは問題無く対処できることをオーナーに伝えると心底安心した様子。
なにはともあれ無事解決。
この程度の事は少なからず現場では起こりうる。
決して大きな問題ではないが、それは我々が感じること。
一般の方々からすれば対処法を知らない以上大問題かもしれない。
“トイレの壁の位置”だけでいえば問題は無かったこの騒動。
しかし、たとえ相手が”素人”と言えど違和感を感じているとすれば少なからず問題があると考える。
今回もその予感は的中。
会話の中から緊急度、優先度を捉え、常に先を読まなければならない。
だから、こういったケアも私の大切な仕事。
邪険には出来ない。
おかげ様で、最近では相手の口調やチョッとした表情の変化から
不安の度合いやその事柄を感覚的に理解しているか否かを感じ取れるようになった。
・・・ような気がする。