ノスタルジックな祭り
今日は自宅から目と鼻の先で行われた”南田中団地盆踊り”。
素っ気ない名前の祭りだが、子供の頃の町内の祭に雰囲気が似ていて
ノスタルジックな気分にさせられる。
結構人も集まり盆踊りも盛り上がっていた。
そして祭りと言えば屋台!
お面は今も健在。
ヨーヨーすくい。子供のころ蛍光管の入ったやつがたまらなくほしかった。
しかしやった記憶はない。
そして金魚すくい。これも祭りの定番だが、
これも子供のころやった記憶があまりない。その訳は・・・
くじ引き。
これはよくやった。でも、大きな景品が鎮座していても当たった例もなく、
当たった人を見た例もない。しょうもない残念賞しかもらった記憶しかない。
でも最近のくじ屋は羽振りが良いらしい。子供達が大きな景品を持ち帰っていた。
さて、一通り見渡したがちょっと物足りない・・・
そう、射的、輪投げ、そして”型抜き”が無い!!!
あ~思い出してきた。フラッシュバックのように・・・
輪投げ。
名前の通り景品に向かって輪を投げて、うまく通せばその景品がもらえる単純なもの。
置いてある景品は、もらってもしようもないものばかりだが、
その中で一際輝く”五重塔”、台座に1000円札が挟まっている。
もちろん通せば1000円GET。
弟に片手を掴んでもらい、「離すなよ」と言って体をできるだけ前に出し五重塔を狙う。
塔をとらえた!!「おじちゃん入ったよ」というと、「下まで落ちなきゃダメ」と言われる。
輪が五重塔の屋根に引っ掛かると無効。床まで落とさなければならない。
何度も試みるが結局ダメ。
今思えば、あれはちゃんと下まで落ちるものなのだろうか?
そして”型抜き”
これは板ガムを凍らせたような硬さの砂糖菓子に
様々な図柄の輪郭線が彫り込んであって、
それをマチ針で削って割れないように抜き取るもの。
成功すると図柄の難易度によって、100円~1000円がもらえる。
図柄は選ぶ事が出来ない。
1000円に当たったらうれしいと思うが、鳳凰みたいな図柄が出てくる。
出来るわけがない、半分詐欺である。
200円くらいの図柄でも30分程度かかる。根気と集中力が必要。
そして、抜き取ってもすぐには払ってくれない。店のおっちゃんの陰湿なチェックが始まる。
「もう少しここ削って。」と言われ、渋々やって割れる。
危うい”型”を何とか抜き、動かすと危ないので、おっちゃんを呼ぶと「持ってこい」と言われ
その途中で割れる。
そうやって敗れていった仲間をたくさん見てきたが、我々も負けてはいない。
「500円のものをここまでやったんだから300円でいいからちょうだい」と交渉したり、
目に涙をためてとにかく訴える者もいた。
そうして「しょうがねーな」と言わせれば勝ちである。
屋台のおっちゃんとの攻防戦が私の祭りの記憶である。
祭りは”型抜き”だけに集中する。
だから他の屋台の記憶が少ないのはそういう理由。
子供のころ楽しかったな~としみじみしながら、
大人になった私はチョコバナナを買って家路についた。